大沼郡/河沼郡 志津倉山本峰(1203m)、志津倉山(1234.3m)、場良山(920.8m) 2015年4月25日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:21 林道−−8:19 志津倉山本峰−−8:53 志津倉山(休憩) 9:49−−10:18 志津倉山本峰−11:03 柳沢峠−−11:30 場良山(休憩) 12:03−−12:26 柳沢峠−−12:48 林道

場所福島県大沼郡昭和村/三島町/河沼郡柳津町
年月日2015年1月2日 日帰り
天候
山行種類残雪
交通手段マイカー
駐車場林道の峠に駐車余地あり
登山道の有無無し
籔の有無残雪でほぼ籔無し。雪が消えた部分の籔を見る限りは無雪期でも許容範囲と思われる
危険個所の有無無し
山頂の展望志津倉山は南北方向に展望あり
GPSトラックログ
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コメント一般的に志津倉山山頂と呼ばれる三角点峰だけでなく地形図上の志津倉山へ。柳沢峠南側の林道から往復。残雪はぎりぎり残っていた感じで1週間後はかなり消えるだろう。山頂付近の平坦部はまだ残雪豊富だった




予想外に林道が除雪され標高差を得した 雪を求め林道カーブから取り付く
尾根に乗る。西側は植林、東は自然林 赤ペイントの目印が続く
残雪は残り少ない 今シーズン初めてのイワウチワ
柳沢峠のちょっと上。雪がかなり少ない 場良山
頭上に目印あり まだ籔は薄いようだ
熊の足跡。5本指の跡なので間違いなし カモシカの食事跡
ヤドリギだった。根は完全に幹の中 標高1000mを越えて残雪が増えてくる
志津倉山本峰。山頂はまだ見えない 1047m峰付近
頭上4mほどの高さの目印 標高1030m鞍部から登りにかかる
標高1110m付近 マンサクの花
標高1150m付近 1185m峰
1200m峰付近 もうすぐ本峰
志津倉山本峰 志津倉山本峰から志津倉山方向
1150m鞍部から登り返す 1190m峰。籔が出ている
三角点峰への登り 目印
ここにも目印 何となく踏跡あり
志津倉山(三角点峰)山頂 山頂から西に登山道がある
志津倉山から見た北側の山々(クリックで拡大)
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志津倉山から見た貉ヶ森山付近
志津倉山から見た御神楽岳 志津倉山から見た南側
東側の山々。ほとんど雪なし 博士山
柳沢峠へと下る 柳沢峠。道は無さそう
柳沢峠から登り返す まだ雪が使える
890m峰手前で雪が途切れる 尾根南の籔を突っ切る
890m峰で残雪が復活 890m峰で尾根が二分、谷を進んだ
870m鞍部 場良山山頂
コブシの花。今シーズン初めて見た 志津倉山本峰遠景
滝。この季節限定かもしれない 滝の拡大
柳沢峠再び 道形があるような
樹林の隙間から見た場良山 林道へ向けて下降
林道 駐車余地到着


 大型連休は目の前の週末。土日の好天が約束されたお天気だが、ここで体力を使いすぎると大型連休前半戦の奥利根2泊3日の行程を中2日の休憩で実行することになり、体力的に厳しくなるのは確実。そこで今週は土曜のみのお手軽な山を考えた。残雪が有効利用できる場所を物色、志津倉山に決めた。ここは不思議な山で地形図上は1203m峰を山頂としているが、最高峰は1234.3m三角点峰でここが地元での山頂とされる場所だ。地形図上の山頂は志津倉山本峰と呼ばれる。三角点峰には登山道があるが本峰には登山道は無い。標高的には厳しい藪がどうか微妙な場所であるが、残雪期に登った方が楽なのは確かだろう。

 ルートであるが登山口のある大辺峠を越える車道は除雪されているとは思えないし、ここから登る夏道は北側の急峻な斜面を上がっていて雪の付いた時期は危険であると予想されるため私の力量では使えないと判断。また、この時期でこの標高では西側斜面は雪が消えている可能性が高い。そこで残雪が期待できる東側から攻めることにした。候補はいくつかあったがしずくら南西尾根の標高800mまで上がっている林道から尾根に乗るのがいいように思えた。たぶん林道は除雪されていないだろうが、林道は藪が無いので尾根上に残雪が少なかった場合も藪漕ぎを最小化できる。

 西那須野塩原ICで降りて北上、舟鼻トンネルを抜けて昭和村へ。さらに喰丸トンネルを抜けて大岐集落へ。ここから目的の林道が上がっているので入ってみると、入口には簡単な車止めが置かれているが両側から車が通過可能な状態。行けるところまで行ってみることにして上がっていくが除雪は完璧で峠まで到着してしまった。その先も除雪が続いていたので、もしかしたら既に除雪が完了しているのかもしれない。峠近くの駐車余地で仮眠。

 翌朝、快晴の天気。先週の経験からワカンは不要だろうと最初から持っていかなかった。念のためピッケルと12本爪アイゼンは持つ。峠付近は法面状で雪も無いので少し西に下って最初のカーブから斜面に取り付く。ここは杉植林で日当たりが悪い影響か残雪がまだあった。

 植林を登りきると東斜面は自然林に変わると同時に雪が少なくなったが、まだ東斜面及び東縁には残っていた。尾根直上はかなり雪が溶けてしまっている。尾根上には幹に赤ペイントされた木やピンクリボンがあるが、これは境界標石の目印用らしい。若干笹があるがまだまだ問題にならないレベルだ。といいつつも雪面の方が歩きやすいので雪を求めて東側を進むことが多かった。

 場良山へと続く尾根が合流する付近は南斜面は雪解けが進んで笹が出ているので東へ回り込んだが、ここも雪が溶けて地面が出ていた。場良山は帰りに立ち寄ることにしてまずは志津倉山。少しの間だけ地面が出て薄い藪の斜面を登ると斑に雪が復活。雪庇の残骸もあってそれを伝って登っていくので笹の中を歩くことはほとんどなかった。

 途中でカモシカの新しい足跡がある場所で、木の葉を食い散らかした跡を発見。カモシカの食事跡らしい。何を食ったのかと思ったらヤドリギだった。落葉樹はまだ葉が出ていないのでカモシカの食い物は少なく、常緑樹であるヤドリギがターゲットになったようだ。通常、ヤドリギは木の高い場所に寄生していて手が届かない場所にあるが、雪の重みで横倒しになった木に取り付いていたヤドリギだったので地面の高さに寝ていた。ヤドリギを間近で見るのは初めてだったが、その根は完全に幹の中に埋もれていて外からは見えなかった。根が寄生した部分の幹は太くなっている以外は異常なし。ヤドリギは自分で光合成をするので有機物を木から吸い取るわけではないようだが、ミネラル分や水分は頂戴しているのだろう。今年の残雪期は南会津の山が多かったが、ヤドリギは多数目撃した。

 この尾根は登山道は無いが、雪のある時期に登る人はいるようで、頭上3〜4mのえらい高い枝に目印が残っているのをいくつも見かけた。もしかしたら冬場はこの尾根がメインルートなのかもしれない。

 標高1030mで肩が登場、左へ針路変更。右手には志津倉山東の絶壁斜面が見えていて数箇所に滝ができていた。雪解けの季節限定なのかもしれない。1047m峰は北をトラバース、そろそろ残雪が増えるかと思ったらまだ尾根上は藪が出ている個所があった。しかし尾根が広がると一気に残雪が増えて地面が見えなくなった。標高は1200m弱なので高くはないが、こんな場所でも緩斜面は雪が残りやすい。発達したブナ林の中を登っていく。

 志津倉山本峰の一角に到着。この山頂部はなだらかで複数のピークから構成され読図が面倒でガスられたらイヤな場所だが、今回のように晴れていれば問題無し。ただしどれが正しい山頂なのか判断するのに読図能力が必要だ。偽ピークが2つほどあって騙されそうになったが、地形図を見て残雪の広い尾根を北西へと進む。

 そして志津倉山本峰山頂に到着。ここは残雪が薄く一部藪が出かかっている状態だった。山頂標識や目印は一切無し。明瞭なピークでもないし背の高いブナの樹林で展望もない場所で、冬季登頂者はもしかしたらここには登らず北を巻いて三角点峰に向かっているのかもしれない。せっかくなので赤テープを残した。

 休憩せずに三角点峰を目指す。志津倉山本峰の地形は緩やかな上に尾根があちこち分岐して複雑なので、地形図をよく読むことが肝心だ。基本的に西に向かえばいい。

 雪の斜面を緩やかに下って1150m鞍部へ。次の1190m峰はてっぺんは藪が出ているので雪の残った南を巻く。藪の程度は潅木+熊笹でそれなりの濃さではあるが激藪ではなく、このレベルの藪が続くようなら無雪期に三角点峰から本峰往復もそれほど難しくはないと思われた。

 緩やかな下りにかかると残雪が復活、小鞍部からの登りでは再び尾根直上の残雪が減って地面が見えるようになるがここは藪は薄く、踏跡があるような感じを受けた。ブナの幹には古いペイントも見られたので、もしかしたら昔は登山道があったのかもしれない。と書いたが、地形図を見ると登山道は三角点峰の東西両側に描かれており、東から上がってくる登山道だったのかもしれない。

 緩やかに登ると志津倉山三角点峰到着。立派な山頂標識が立つピークで、西に続く尾根上には登山道があった。ただし今の時期はここから登る人はいないだろうが。山頂付近は雪が消えて乾いた地面が広範囲に露出していた。伐採したのか分からないが北と南方向に展望あり。御神楽岳や狢ヶ森山付近はまだ真っ白。今日は空気の透明度がイマイチで遠くの山は霞んで見えなかった。

 三角点峰山頂でしばし休憩。どうせ今日はあと場良山に立ち寄るだけなので時間はたっぷりある。ちょっとばかり西寄りの冷たい風が吹いていたが日差しが暖かく、寝不足の身には昼寝に最適だった。

 休憩を終えて往路を戻って場良山に向かう。往路でもそうだったがカモシカの足跡が多数あるのだが本日はその姿を見ることはできなかった。

 往路を離れて尾根を東へ下り続けるとすぐに柳沢峠に到着。地形図では南北に破線が越えているが雪が残って道の存在は不明だが、少なくとも標識類は皆無だった。登り返しは西向きの尾根なので雪が消えるかと思ったらまだ雪が続いてラッキー。しかし890m峰手前で尾根北側の雪庇の溶け残りも無くなって尾根上は笹と潅木藪に。南側を見ても雪は広範囲で消えてしまっていて100mほど藪漕ぎだが濃さはそれほどでもなかった。

 890m峰西端で傾斜が緩むとそれまでの藪が嘘のように残雪に覆われて歩きやすくなった。ここで尾根は二分し直進は間違いルートだが、この天候なので落葉したブナの隙間から正しい尾根が見えるので右に針路変更。右手のピークを僅かに巻いて870m鞍部手前で尾根に復帰。その先の斜面も雪が消えかけていて北側を巻いてどうにか雪をつなげられた。

 場良山山頂部は平坦で広い場所。樹林で展望はなかった。積雪は数10cm程度だが締まって足が沈まないくらいなので、ピッケルで三角点を探すのは無理だった。柳沢峠から山頂まで目印は皆無だったので、ここは積雪期の志津倉山ルートから外れているらしい。ここでも銀マットを敷いてのんびり休憩した。

 帰りは柳沢峠から南へトラバースして尾根に乗る。東斜面は残雪があるのでちょうどいい。それでも地面が出ている個所があり、そこには廃道らしき筋が見て取れたので、地形図の破線は昔は実在したようだ。

 尾根が下り始めたら西の植林帯へ入って適当に下ると往路で斜面に取り付いた林道カーブに出て、そこから駐車余地まですぐだった。

 

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